開催趣旨:知識や経験の不足など,わが国ものつくり産業が抱える多くの問題が指摘されております.日本フルードパワーシステム学会では,知識や経験を伝承し共有する面からも,明日のフルードパワーを担う若き技術者の方々に積極的に学会活動に参加し,企業と学会,企業と企業のヒューマンネットワークを築く交流の場を設けることが大切であると考えております.また,これらの方々に企業と学会,企業間での橋渡しを担っていただく契機を提供できればと願っています.
そこで,技術者に軸足を置いた横断的な交流を目指し,日本フルードパワーシステム学会でなければできないサロン的な雰囲気の新企画「フルードパワーの魅力発掘セミナー」を2006 年度より開始し大変好評を得ております.
2009年度は「食」を話題として取り上げます.ヒト〈人〉にとって極めて重要な行為である「食」は,美味さへの飽くなき探求がなされる一方で,安全性,食料不足など,とかく話題になる昨今です.たしかに20世紀の人口の爆発的増加は,食料生産量の増大に対応して発生したといわれます.そしてその間,十分に,安全にそして美味しく,を志向し続けるヒトの食への要求を支えてきたのは科学技術である,と言っても過言ではありません.フルードパワー技術も例外ではあり得ません.資源の枯渇が懸念される21世紀において,十分に,安全にそして美味しく,という食への課題は,まさに正念場を迎えると指摘されています.食の生育,生産や加工方法も新たな方向を目指して激変しようとしています.このような転機を迎えた食の分野で,フルードパワー技術の新たなニーズと課題を確認するのは重要です.
このような観点から,今年度は生産,加工,安全安心など食をめぐる話題を取り上げ,これからの世紀の食を支えるフルードパワー技術を考える機会を提供します.計4回の内容で,初回は食べ物の食感,風味など,人の感性に訴える食材の「不思議さ」を取り上げます.2回目は食品加工現場からの話題を提供します.これらから人の感性に訴える食品加工ノウハウを知り,加工に使うアクチュエータが満たすべき要件を盗み取っていただきたいと考えています.3回目は安全安心の話題を予定しています.食を含む物つくりにおいて重大な課題である安全性について,専門家を招いて講義します.最終回では取りまとめとしてフルードパワーと農業生産に関する話題を予定しています.また、可能であれば関連の見学会を予定します。
食に要求されるのは幅広い技術です.種々の現場の貴重なノウハウを総括して知り,ここに必ず隠されているフルードパワー利用の活路について参加者個人が認識する稀有の機会です.奮っての参加をお願いいたします. |