解 説

 

空気圧機器・システム技術のロードマップに関する研究委員会*

 

藤田壽憲**

 

* 平成21713日原稿受付

**横東京電機大学 工学部,〒101-8457 東京都千代田区神田錦町2-2

 


1.研究委員会の趣旨

空気圧機器・システムは,半導体や自動車産業などユーザのニーズに応えて機器・システムが開発されてきた.今後も,これらの産業分野と相互に影響し合って空気圧機器・システムは更に発展していくものと予想されるが,近年,ユーザ側の要求する仕様が高度になってきている.たとえば,半導体産業ではナノテクノロジーの進展に伴う機器の小型化や高精度化が,自動車産業では省エネルギーをはじめとする環境問題への対応が求められている.空気圧の側がこれらに早急に応えていくためには,ユーザのニーズについて調査し,空気圧機器・システムに求められる技術について予測する必要がある.そこで本研究員会では,各産業の空気圧機器の利用状況に関する情報を収集し,これに基づき空気圧機器・システムのロードマップについて検討することを目的としている.

2.研究委員会の状況

すでにいくつかの学会では経済産業省からの事業委託を受け,アカデミックロードマップの作成を行っている.同省ではこのロードマップにより産官学の円滑な技術移転を行い新産業の創出を狙っている.昨年度は 当学会とも関係が近い()日本機械学会と()計測自動制御学会におけるロードマップの作成に携わった方を講師にお招きし,その内容についてご講演いただいた.一口にロードマップといってもさまざまな様式があり,その後の調査,議論を通して,当委員会としては下記の二つのロードマップについて検討している.

A.空気圧が優位な新たな産業分野(例えば医療介護機器)を示し,必要な空気圧技術を列挙するロードマップ

B.過去の技術変遷 (たとえば電磁弁の応答速度)を明らかにし,その技術をさらに発展させるために必要な技術を示すロードマップ

A案は夢を求める大学関係者が支持しているのに対し,企業関係者はB案の方を求めているようである.ずるいかもしれないが,著者は両方とも必要と考えている.とりあえず今後はA案に必要な新たな分野への取り組みに関する話題提供と調査を行っていく予定である.

ロードマップを作成するためにはさまざまな英知が必要である.学会からは工業会との連携も求められている.関係する皆様におかれましては委員に就任いただけなくとも,自分だったらこんな素晴らしいロードマップを作成できるとか,産業界側としてはこんなロードマップが欲しいとか,叱咤激励を含め自由なご意見を,ぜひ,私宛にいただけると幸いです.

 

著者紹介  

藤田(ふじた) (とし)(のり) 君

金沢大学大学院修士課程修了.その後,金沢市技術員,石川職業訓練短期大学校講師,東京工業大学助手を経て,2002年より東京電機大学工学部助教授,2004年より教授となり,現在に至る.その間,流体計測・制御(主に空気圧)の教育・研究に従事.日本フルードパワーシステム学会,日本機械学会,計測自動制御学会などの会員.博士(工学)

E-mail : tfujita@mail.dendai.ac.jp