新たな段階に入った本学会の役割
本学会は平成12年に学会創立30周年を迎え、また平成13年8月には学会名称を日本油空圧学会から日本フルードパワーシステム学会に変更しました。まさに本年は、学会の歴史が新たな段階に入ったところであります。すなわち学会名称の変更が示すように、本学会の専門主分野の媒体流体は、従来の油および空気から、水をはじめ機能性流体、各種ガスなどに広がって来ております。さらに流体機器、要素技術に限らず制御、設計などシステム技術を含めたより広い流体動力技術の展開が求められております。今や一段と高いレベルのフルードパワーシステム技術が真価を発揮できる状況が到来しており、本学会の役割は益々大きいと言えます。
今年度は30周年記念事業を実施する年であり、記念募金趣意書に掲げました油圧・空気圧・水圧最新技術に関するテキストの出版、学会のホームページ充実を中心とする情報システムの整備、そしてアジアを中心とする国際交流の3事業に取り掛かっております。
また本年は1999年以来3年目の、第5回油空圧国際シンポジウム開催年に当たり、これまでに無い多数の海外参加者が予定されております。世界的にもユニークな、フルードパワーシステムに関する専門学会として、本学会の国際的評価をさらに一段と高める機会とするために、国際シンポジウム実行委員会を中心に準備を進めております。
役に立つ学会として活動を広げるために
本学会はフルードパワーシステムに関する専門学会であることから、基礎的工学と共に実用に直接役立つ研究・技術情報の提供が特に求められます。この面で会誌の編集では、関連分野を含めて実用、応用技術の紹介などを幅広く取り上げて行きます。春秋の講演会はじめ講習会、研究委員会などの企画事業では、特に会員技術者の要望に応えることに一層、意を払う必要があります。このために、理事会では事業企画担当として、賛助会員企業からの理事4名を配し、会員技術者に役に立つ企画の充実を図ることとしております。研究論文集についても、学術的研究論文と並んで、会員技術者からの技術開発論文の発表を促進する必要があります。この面では賛助会員企業に、技術情報公開がフルードパワーシステム技術の広がりを生み出すと言う社会的意義についてのご理解を頂き、積極的な貢献を期待したいと思います。
流体と言う特殊な性質を持つエネルギー伝達媒体の利用分野は、今後も新たな広がりを持つものと考えられます。会誌編集および企画事業では、特に新しい関連分野の方々にも関心を持って頂けるものを提供することが重要であります。
学会の基本的機能は情報の交換にあります。各種の研究委員会や講習会など、学会の活動の具体的内容を、即時、全会員に知っていただくことは基本的に必要なことであります。と同時に、学会を介しての会員相互間の技術質問・回答・情報紹介などの情報交換は、会員に直接役に立つことであります。これらの情報提供および応答は、出来るだけ会員外にも公開し、学会の新しい会員分野の開拓につなげること必要があります。これらの情報交換はIT技術の利用により、学会のホームページや技術相談メール窓口などにより、現実に可能となってきており、学会の新しい活動形態として拡充が進められております。この面では30周年記念事業の一つとして、提供情報コンテンツの拡充とIT設備の整備を早急に進めるべく作業に掛かっております。今や情報は電子化、Web化しなければ利用者の目に触れない状況になってきています。会誌の電子ジャーナル化も含めて、次世代の情報活動の体制を検討する必要があります。
各種の表彰は、優れた研究、技術開発、技術活動を広く社会に知らせるための重要な事業であります。本年からはさらに表彰対象を広げることを考えております。
基盤強化は現下の最優先課題
本学会の意義ある諸活動を支える財務基盤の確立は、現下の最優先課題であります。本学会の近年の財務状況は、数年にわたり単年度赤字予算で運営されており、現下の経済状況を考えますと今後の見通しもかなり厳しい状況にあります。理事会では基盤強化担当に、賛助会員企業からの理事4名を配し、個人・賛助会員(口)数、事業収入、広告収入の増強および寄付金の呼びかけなどによる収入源の確保を図る考えであります。この面では特に賛助会員企業のご理解、ご協力をお願いしたいと思います。
収入源の確保と共に新しく個人会員、賛助会員に入会して頂くことは、基盤強化と共に、学会の活動の広がりを実現するために欠かせないところであります。新たな関連技術分野への働きかけ、および会員あるいは非会員からの技術相談などを切っ掛けに会員拡大につなげる活動など、基盤強化体制の充実を図る必要があります。また会員以外の方々で、フルードパワーシステム技術にご関心のある方は、是非学会宛てにお問合せください。有用な情報をご提供することができます。
現在、わが国では製造業の空洞化が心配されておりますが、国内研究開発力の維持、発展は何としても死守しなければなりません。本学会もその一端を担う責任があります。本学会の維持、発展には、個人会員と同時に、賛助会員企業の見識とご協力は欠かす事の出来ないところであります。
会員各位のご理解、ご協力を御願いする次第であります。
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